
自責思考とは、物事がうまくいかない時にその原因(責任)が自分にあると考える思考法、、、とよく言われますが、これは言葉をなぞっただけの解釈だと思います。
実際には、原因発生までのプロセスにおいて自分の意思が介入できたかを観測して、介入有無により分岐する事象を俯瞰的にみる方法だと考えます。
自責思考は、自分に責任を押し付ける思考法ではないということを頭の片隅にでも置いておいてください。
求められる自責思考とは
自責思考は、自分視点で事象を見ることである
他責思考の場合は、大体が「あいつが悪いんだ!」で終わります。
自責思考の場合は、「あの時、あの発言であの人はこういう行動をとったんだな」と自分の行動によって分岐したプロセスについて考えます。
この時に誰が悪かったなんてことは考えません。
冷めた言い方になりますが、誰かの悪いところを探したところで、過去を変えることはできません。
そこを考えるだけ時間の無駄です。
自責思考は、自傷ではなく反省することである
自責思考の人は「私のせいだね、ごめんね」と言える人の事を指す風潮にありますが、これは自責ではなく波風立たないようにしているだけです。
これでは、ただの自傷行為です。
自責思考は、自傷ではなく反省である必要があります。
反省は、状況を分析して、次に同じ状況になっても別の道に進むようにする方法です。
自傷ではなく反省しましょう。
自責思考は、次の実験ができると考える
自責思考は反省であり、反省は次は別の道に進めるようにする方法だと説明しました。
しかし、別の道を辿ってもそれが必ず良い道かどうかは別問題です。
なので、自責思考においては、「この方法はダメだったけど、次はこうしてみよう」という次の実験を見据えるものだと思っておきましょう。
自責思考のメリット
自分の経験値が増える
他責思考の人は「あいつが悪いんだ!」で思考が終わります。
これでは何も得るものが無く終わってしまっています。
自責思考では「このケースでは、これがダメだったのかもしれない、ならば次はこうすればどうだろうか」という次に繋がる行動を考えることが出来ます。
ここで考え出されたものは他の場面でも応用が出来る場合が多々あります。
これは、人生の経験値と言って良いものだと私は思います。
自分のテンプレートが出来上がってくる
自責思考を繰り返すことで、次につながる行動を考えることが出来るようになり、「この場合はこうしよう(これはしないでおこう)」というある種の型が出来上がってきます。
これによってその都度悩んで時間を浪費するということが減っていきます。
時間の浪費が減ると自分のスキルアップのために行動できるなど人生が豊かな方へ進んでいきます。
冷静になれる
自責の人は「あの時、あの発言であの人はこういう行動をとったんだな」⇒「じゃぁ、このパターンだったら?」⇒「ここでこれを取り入れるとどうだろう」と思考を深めていくことが出来ます。
そうしているうちに最初は怒りの感情などがあったとしても次第に静まっていきます。
そして、それを隔てていくうちに他にトラブルに見舞われた場合でも冷静に対処ができるようになっていきます。
自責思考の方法
事象は自分視点で考える
自分の責任と書いて自責。
ですが、あくまで責任という範囲に自分を置くというだけです。
「当事者意識を持つ」とも言うのでしょう。
何でもかんでも自分のせいと言うわけでなく、自分の責任が本当にあるのかどうかという観点を含め自分の視点で見ていくようにしましょう。
そこに至ったプロセスを考える
自分に責任があるかどうかを見つけるためにも、まずは自責思考で一つづつそこにたどり着いたプロセスを見ていきましょう。
誰が何を言ったのか、自分が何を言ったのか、それによって誰がどのような行動をとることになったのか。
それを現在の状態から逆順に遡っていきましょう。
自分の意思が介入できているかを見直す
意見を言っても通らないことはあるでしょう。
しかし、「やったけど出来なかった」と「出来るけどしなかった」では大きな隔たりがあります。
その時々において、「出来なかった原因」「しなかった原因」を考えてみてください。
そして「しなかった原因」については、どうすれば実施できるようになれるかも合わせて考えてみましょう。
自分の意見が反映されるされないは二の次であり、自分が出来ることは取り組むようにしましょう。
他責思考は悪くない
他責は必ずある
人間は他人の意見を受け入れられる生き物です。
ですが、他人の意見を受け入れないという選択もできる生き物です。
こちらの意見を述べてもそれを受け入れないという可能性は十分にあります。
選択肢の中で、その人が決断した結果で起きた事象なのであれば、その人にも責任があると考えます。
自責思考では、その与えた選択肢がそもそも間違っていなかったかどうかを見直すだけです。
最終的に選択肢から選んだその人に責任があることは覆りません。
他責は反面教師
人間の世界は、実験を繰り返すことで進歩してきました。
その実験に成功する人もいれば失敗する人もたくさんいます。
私たちにはその人たちの結果ではなく、その人たちが行ってきたプロセスが必要です。
失敗したのは何が原因なのかを考えるのも私たちには必要だと思います。
成功するかは別として、失敗した人とは別の事をすれば、同じ失敗は起きないでしょう。
他責の際にも、なぜその結果に至ったのかを考えましょう。
最後に
間違ったことをしても自分を責めない
あなたはあなたを大事にする義務があります。
自責思考は自分に責任があると考える方法であり、自分を責めるための方法ではありません。
例え間違いをしてもそれを乗り越えて次のチャンスに生かすという考えで行動してみましょう。
おわり。